木村前社長は「特任教授」に就任


「加計疑惑と同様に、国際医療福祉大も認可までのプロセスに“国福大ありき”の流れが見えます。医学部の設置事業者の公募が始まるのは2015年11月ですが、それより前の2015年10月に行なわれた『東京圏国家戦略特区会議第1回』の議事次第で、国家戦略特区担当の石破茂内閣府特命担当大臣(当時)らとともに、国福大の高木邦格理事長の代理で矢崎義雄総長が出席者として明記されていた」

 国福大には、2014年2月まで内閣官房社会保障改革担当室長を務めた元厚労省社会・援護局長が、教授として在籍している。

「同大は文科省や厚労省OBの天下りを受け入れている。そういう意味でも加計学園と同じように政治案件として認可が進められたと認識している。今後、さらに追及していく」(桜井氏)

 野党は「第2の加計」とみて疑惑追及の姿勢を打ち出すが、メディアの反応は薄い。

 加計問題では、文科省に「総理の意向」と記録された文書があること、さらに文書作成当時に文部科学事務次官だった前川喜平氏が「文書は本物」だと証言したインタビューなどスクープを連発し、疑惑追及の急先鋒となった朝日新聞も、「第2の加計」には追及が緩いように見える。

 朝日が国福大の認可について報じた記事は、加計を巡る文科省の内部文書に「成田市ほど時間はかけられない」とあったことを受け、〈同じように特区で実現した国際医療福祉大の医学部新設を指すとみられる〉(5月30日付)という説明や、6月28日付記事で、〈安倍政権は、東京圏特区に含まれる千葉県成田市に、国際医療福祉大が医学部をつくることを認め、今春開学した。獣医学部設置を認めた際も、医学部の手続きを参考に進められた〉と触れた程度だ。

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