「稀勢の里が出場すれば、懸賞の総本数が段違いに跳ね上がる。稀勢の里戦では限度である61本が連日かかるのは間違いないでしょう。もし金星を上げれば、手取り1本3万円なので、183万円の臨時収入が得られ、さらに褒賞金が加算されて年収も24万円アップする。そのため、若手力士の間には、稀勢の里のことを“金星配給マシン”と思っている者もいると聞く。稀勢の里の休場を協会が強く勧めているのは、金星の量産を防ぎたいという思惑もあるのです。
夏巡業で思いの外動けて気を良くしていると言っても、本場所とはわけが違う。若手力士は負傷していた左腕をかまわず狙ってくる。もし3場所連続途中休場ならかばいきれない。出場は明らかに早計です」
今場所は、栃ノ心、北勝富士、碧山、阿武咲、宇良といったガチンコ力士たちが、幕内上位で勢ぞろいしている。そうした中で、銭勘定する若手力士の思惑通りになってしまうのか──。
休場届の〆切となる、9月8日の編成会議までの動向に注目が集まる。
※週刊ポスト2017年9月15日号