女性セブンの名物還暦記者“オバ記者”こと野原広子が、世の中の様々なトピックに一言物申す! 今回は先日40年回目の放送が終わった『24時間テレビ』がターゲットです。
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『24時間テレビ 愛は地球を救う』(日本テレビ系)の放送から1週間以上たった今も、なんだかすっきりしない気持ちが残っている。
「感動ポルノ」なんてあちこちでいわれてるけど、確かに、押しつけがましいんだよね。“お約束”になっている愛と感動、お笑い芸人の身内ネタ、ランナーの走る理由、この3つを引いたら、どんなにいいか。
40年も続いている番組の演出にケチをつけるのは大人げないと思うよ。けど、今年は目に余ったね。ランナーを当日の番組が始まって1時間たってから発表したのは、トレーナーの坂本雄次さんの一言によるという。
「ちゃんと伴走できるのは最後かもしれないから今までにないことがしたいね」だって? これに納得する視聴者がいると、テレビ局が思っていることに驚くわ。
ランナー候補者の多彩さも毎度のこと。新婚の渡部建(44才)から水卜麻美アナ(30才)、櫻井翔(35才)、亀梨和也(31才)、不倫騒動の宮迫博之(47才)まで。
みんな、聞かれれば「選ばれたら光栄です」と走るそぶりを見せるけど、「1日のトレーニング量は?」というツッコミはなし。
で、結局、ブルゾンちえみ(27才)で落ち着いた。それはそれでいい。彼女の無駄のない走りっぷりと泣き言を言わないがんばりは見事の一言だもの。けど、「感動のゴール」でこっちも感動するか、話は別。
年々、大仰になった日本武道館の仕掛けと、泣きのナレーションに「ああ、またやってる」と私は問答無用。本能的にチャンネルを変えちゃったもんね。
さらに言えば、お笑い芸人の身内ネタばかり垂れ流すのも、どうにかしてほしい。押しつけの感動はいやだけど、笑えないバカ騒ぎはもっといや!
それでも気になってまたチャンネルを合わせるのは、スペシャル中のスペシャル番組だからこそ実現したドキュメンタリーを見たい、という期待があるから。
女芸人たちが聴覚障害をもった子供たちと木琴を奏でる「女芸人と耳の不自由な子ども達がコンビネーションマリンバに挑戦!」や、羽生結弦選手が自身と同じ小児ぜんそくの少年のスケートレッスンで、「あと2回跳んだら4回転」と励ますシーンは、やっぱり見ごたえあったもの。
そんなわけで来年は、24時間もだらだら続けることなく、メリハリのきいた意味のある特番にしてほしいけど、無理かなぁ。
※女性セブン2017年9月21日号