年金改革で国民が知らない間に役人が焼け太っていたのである。政治家も役人も「一億総活躍」「働き方改革」を掲げ、民間サラリーマンには“年金の財源が足りないから75歳まで元気で働け”とハッパをかける。さらに内閣府の有識者会議は年金の「75歳選択受給」を議論して高齢者の年金受給開始年齢を遅らせる仕組みを作ろうとしている。国民には75歳までせっせと税金を納めさせようというのだ。

 その裏で役人たちは公務員の定年延長で「老後の安心」を確保し、国民が75歳まで働いて納める税金で自分たちの給料アップをはかる準備をしたたかに始めた。国民の社会保障の充実は「財源がない」と突っぱね、年金カットなど損することは「民」にやらせ、定年延長など儲かることはまず「官」から始める。これが「役人天国」ニッポンの姿なのだ。

※週刊ポスト2017年9月22日号

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