〈第5話ではそんな冴子とマヤがバーカウンターで栄を挟んで対峙するシーンがあるが、浅丘は石坂の元妻で加賀は元恋人。3人の過去を知る往年のファンをやきもきさせた〉
あれもね、もちろん確信犯です。『やすらぎの郷』はホームドラマというか、和やかなドラマなので、ああした“サスペンス性”が大事なんです。それは、俳優のリアルな生活の中からくるサスペンス性。どうしたってドラマで俳優を見ていると、誰と誰がくっついたとか、これはあいつの奥さんだとか、そういうのが気になるものでしょう。
だからもしもこの先『北の国から』(1981~2002年、フジテレビ系)の続編を書くとしたって、吉岡(秀隆)と内田有紀ちゃん(2005年に離婚)が夫婦役のままでは物語は続かないですよ。脚本を書く時は、そうした視聴者目線をいつも考えています。
そこへいくと、兵吉と初めて会ったのはまりこと同棲していた頃だし、兵吉がルリ子にプロポーズする時には彼女の実家へ付き添いましたし。
でも離婚する時になんにもあいさつがなかったなぁ。あれだけ結婚する時に世話をして、盛大に結婚式までやったのに。だから「離婚したらおまえ、離婚式というのをやったらどうだ?」ってね。2つに割れたケーキをくっつけるところから始まって、別れ別れに2人が会場を出て行くところまで全部逆転したものをやってみればいいじゃないかって。あいつらに対する恨みで書いたドラマが、『あゝ!離婚式』(2004年、フジテレビ系)ですよ。
撮影/矢口和也
※女性セブン2017年9月28日号