そんな熱論が現場で繰り返され、モデルを「半ば強引に」納得させながら、限りなくヌードに近い攻防戦が繰り広げられていった。すべては脱いでいないからこそ、「その薄布1枚の先が見たいんだ!」という男の妄想を、着エロは見事にかき立てていったのだ。
やがて、過激になりすぎたあまり、摘発される事態も発生。また、明らかに「AV女優への一里塚」になり、ジャンルそのものが存在感を失ってしまった。インパクトとしては「あのアイドルがAVに!」という最短コースに太刀打ちできない。現在も着エロという表現は消滅したわけではないが、もはやかつての勢いと輝きはない。
※週刊ポスト2017年9月29日号