和田:実際、データもあるんです。シカゴ大学が2万人を対象に調査した結果、反抗期のない子供の方が社会的成功度が高く、犯罪歴も少なかった。東大生は親孝行の子が多い、といわれていますが、親の愛情を一心に受けてきた子供の方が、まっとうな人間に育つのは当たり前です。

佐藤:母親の在り方が問われているんでしょうね。テストの点数で怒るとか、きょうだい同士を比べるとか、母親が幼少期に“理不尽の種”を蒔いてしまっていると、大きくなってから子供は反抗する。その種が育っただけなんです。理不尽の種を蒔かなければ反抗もしない。寄り添うことが大切なんだと思います。

和田:勉強ができるから愛するのではなく、愛しているから勉強ができてほしい、ということです。たとえ受験が落ちたって、一緒に見返してあげようねって。条件付きの愛ではなく、絶対的な愛がここに存在するとわかれば、子供は決して道を外したりしない。

 私の母親もそうでした。弟は小さな頃から病弱で、勉強も苦手だった。中高一貫の進学校に進みはしましたが、その後もなかなか芽が出ない。でも、母親は“おまえは絶対にできる子だ”と言い続けたんです。結果、弟は高校3年生で開花し、東大文Ⅰに現役合格しました。

佐藤:私も自分で産んだ以上、全精力をかけて育てようと思いました。世界中がこの子の敵に回っても、私だけはそばにいよう、と。夫は弁護士なのですが、何度も刑務所に出入りしているような犯罪者は、親族からも見放されているケースが多いそうです。親族に嘆願書を集めに行っても、みな逃げてしまって書かない。

 もし、万一にもうちの子が犯罪を犯したら、私は嘆願書を書いて毎日差し入れに行く母親でありたい。いいときも悪い時もそばにいてあげたい。子育てとは、その覚悟の表れなのだと思います。

※女性セブン2017年10月5日号

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