芸能

『水戸黄門』主演・武田鉄矢、『金八』と異なる歴史の重み痛感

武田鉄矢の「水戸黄門」は10月スタート

「ここで、『悪名高き』というひと言を入れたらどうでしょう」と武田鉄矢(68)がスタッフに助言すると、その場ですぐに採用された──。

 殺陣師、照明担当、演出家らの怒号と笑いが飛び交う中、東映京都撮影所では、凄まじいテンポで撮影が進められていた。6年ぶりに復活した『水戸黄門』(BS-TBS)の撮影現場は、熱く活気に充ち満ちていた。

 もっとも武田は、黄門様という大役の話が来たとき、躊躇したと言う。

「まず思ったのは、俺にはまだ早い、あそこまで年取ってないぜ、という思いでした。役者には自分の若さにしがみついているところがあって、下世話な言い方をすれば、ああ、これで俺の人生にはもうベッドシーンはないんだなと思った(笑い)。

 まだ谷崎潤一郎作品の『瘋癲老人日記』とか際どいものを求める自分もどこかにいましてね。でも、制作側から『練習だと思ってやってくれませんか』とうまく口説かれて、そうだ俺ももう70手前なんだ、黄門を目指して老いの練習をするのも悪くないなと引き受けたんです」

 1969年に主演・東野英治郎で始まった『水戸黄門』は、西村晃、佐野浅夫、石坂浩二、里見浩太朗とバトンが受け継がれてきた。その半世紀近い歴史の重みを、いま武田は痛感している。

「『金八先生』であれば、それはもう初めてテレビに出るキャラクターだから自由自在に役作りできるわけです。でも、黄門様はそうはいかない。80%ぐらいは過去の俳優さんが作ってきたもので、それに乗らないと迷惑がかかる。

 実際、これまでも、これは違うとなると非難のハガキが視聴者から届いたらしいんです(笑い)。一種、タイ焼きのようなものでね、絶対に他の魚に見えちゃいけないんですよ。タコの格好をしたタイ焼きでは、価値がないし、見る人の食欲がわかないんです」

関連記事

トピックス

勝負強さは健在のDeNA筒香嘉智(時事通信フォト)
DeNA筒香嘉智、日本復帰で即大活躍のウラにチームメイトの“粋な計らい” 主砲・牧秀悟が音頭を取った「チャラい歓迎」
週刊ポスト
『虎に翼』の公式Xより
ドラマ通が選ぶ「最高の弁護士ドラマ」ランキング 圧倒的1位は『リーガル・ハイ』、キャラクターの濃さも話の密度も圧倒的
女性セブン
羽生結弦のライバルであるチェンが衝撃論文
《羽生結弦の永遠のライバル》ネイサン・チェンが衝撃の卒業論文 題材は羽生と同じくフィギュアスケートでも視点は正反対
女性セブン
“くわまん”こと桑野信義さん
《大腸がん闘病の桑野信義》「なんでケツの穴を他人に診せなきゃいけないんだ!」戻れぬ3年前の後悔「もっと生きたい」
NEWSポストセブン
中村佳敬容疑者が寵愛していた元社員の秋元宙美(左)、佐武敬子(中央)。同じく社員の鍵井チエ(右)
100億円集金の裏で超エリート保険マンを「神」と崇めた女性幹部2人は「タワマンあてがわれた愛人」警視庁が無登録営業で逮捕 有名企業会長も落ちた「胸を露出し体をすり寄せ……」“夜の営業”手法
NEWSポストセブン
中森明菜
中森明菜、6年半の沈黙を破るファンイベントは「1公演7万8430円」 会場として有力視されるジャズクラブは近藤真彦と因縁
女性セブン
昨年9月にはマスクを外した素顔を公開
【恩讐を越えて…】KEIKO、裏切りを重ねた元夫・小室哲哉にラジオで突然の“ラブコール” globe再始動に膨らむ期待
女性セブン
食品偽装が告発された周富輝氏
『料理の鉄人』で名を馳せた中華料理店で10年以上にわたる食品偽装が発覚「蟹の玉子」には鶏卵を使い「うづらの挽肉」は豚肉を代用……元従業員が告発した調理場の実態
NEWSポストセブン
報道陣の問いかけには無言を貫いた水原被告(時事通信フォト)
《2021年に悪事が集中》水原一平「大谷翔平が大幅昇給したタイミングで“闇堕ち”」の新疑惑 エンゼルス入団当初から狙っていた「相棒のドル箱口座」
NEWSポストセブン
17歳差婚を発表した高橋(左、共同通信)と飯豊(右、本人instagramより)
《17歳差婚の決め手》高橋一生「浪費癖ある母親」「複雑な家庭環境」乗り越え惹かれた飯豊まりえの「自分軸の生き方」
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんの役目とは
《大谷翔平の巨額通帳管理》重大任務が託されるのは真美子夫人か 日本人メジャーリーガーでは“妻が管理”のケースが多数
女性セブン
店を出て染谷と話し込む山崎
【映画『陰陽師0』打ち上げ】山崎賢人、染谷将太、奈緒らが西麻布の韓国料理店に集結 染谷の妻・菊地凛子も同席
女性セブン