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復活期待される稀勢の里 左サイド攻めの対応に不安の声も

稀勢の里にとって九州場所は正念場となる

 10月2日に両国国技館で行なわれた「全日本力士選手権」で、稀勢の里が昨年に続いて2連覇を果たすと、翌日のスポーツ紙は、〈稀勢復活のろし〉(デイリースポーツ)、〈稀勢復活へ吉兆V2〉(スポーツ報知)など、一斉に派手な見出しを打った。

 しかし、稀勢の里の最大の武器である「左のおっつけ」が一度も見られず、“完全復活は遠いな”と感想を漏らす若手親方もいた。稀勢の里には3月場所で劇的な逆転優勝と引き換えに痛めた左上腕が、今も完治していないとする見方もあるのだ。

 稀勢の里が所属する田子ノ浦部屋の関係者は、「それでも、久しぶりの明るい話題に横綱は嬉しそうだった」と語る。

「本人は“秋場所に出ておけばよかったな”とジョークを飛ばしていたくらい。10月5日に始まった秋巡業でも、連日土俵に上がって稽古に汗を流しています」

 千葉・八千代での巡業初日は、先場所、幕尻ながら最後まで優勝争いに加わった朝乃山を相手に15勝2敗。数字の上では圧倒しているが、これもまた楽観視できる材料ではないという。

「勝った相撲では、左四つから右上手を引きつけての寄り切りが多かったものの、『左のおっつけ』はこの日も一度も見られなかった。左は使えないから、新しい勝ち方を探しているのでしょうが、負けた一番はいずれも相手の突っ張りから差し負けて右四つになったもの。

 他の力士たちは稀勢の里の相撲を食い入るように観察しています。巡業中に弱点を見抜かれるんじゃないか。今の状態だと、先場所に大活躍した阿武咲(前頭3)や貴景勝(前頭5)ら素早く動き回れる若手力士に左サイドから攻められたら、どこまで対応できるかわからない」(若手親方の一人)

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