投手が打席に入るセ・リーグの場合、捕手が2割程度の打率となると、相手投手からすればスタメン9人の中で2人もアウトが計算できてしまう。
「現在ヘッドコーチ兼バッテリーコーチの村田真一は、晩年はさほど打てなかったですが、リーグ優勝した1990年は2割7分3厘、13本、44打点、日本一になった1994年は2割4分8厘、10本、41打点と小林よりも断然打っています。控え捕手を見ても、1990年は中尾孝義が2割5分4厘、7本、18打点。この年限りで引退した山倉も2本塁打。1994年は大久保博元が2割9分4厘、9本、18打点で、藤田浩雅も1本塁打放っている。両年とも、捕手で計20本以上打っています。阿部には及ばないものの、過去の巨人の捕手が打てなかったかと言えば、決してそうとは言えません。
松井秀喜や清原和博、江藤智、高橋由伸らを擁した2000年のように上位打線が爆発すれば、捕手が打てなくてもそこまで影響はない。この年のレギュラー捕手である村田真一は2割4厘、7本、34打点とさっぱりでしたから。しかし、来年の巨人に2000年のような強力打線が期待できるかと言えば……」(同前)
秋季練習では守備よりも打撃練習に力を入れている小林。2年連続リーグ1位の盗塁阻止率を誇るだけに、せめて山倉や村田並みの打棒を身につければ、ファンも満足するのではないか。