世界のトップスケーターを夢見る子供たちをサポートするのは、もちろん親の役目。わが子をトップアスリートに育て上げるために親たちも尽力する。金銭面に始まり、強靱なフィジカルを作るための食事面、メンタル面、そして練習場への送迎など多岐にわたる。冬季五輪を目指す男子中学生選手の母親が、期待と不安が交錯する胸の内を明かす。

「今は子供のスケートにつきっきり。朝から晩までべったり張りついているせいか、お互いに親離れ、子離れができていません。依存し合っている、この関係が続いて大丈夫なのだろうかと疑問を感じる毎日です。

 また息子が大成してくれると信じていますが、万が一スケートに挫折したとき、将来は大丈夫なのかと心配もあります。なぜなら学校に行くのはテストの時だけ。修学旅行や運動会はスケートの大会と重なったので欠席。勉強はおろか、同年代の子供たちとコミュニケーションもとれない。息子からスケートを取ったら何が残るのかと不安は募るばかりです」

 親が子供のスケートに熱中し、能力以上の成果を期待するあまり、子供に大きなストレスを与えてしまうケースも散見される。

「本当はやめたいのに、『随分と親に投資してもらったから』とか『お母さんが、しっかり練習しなさいと言うから』と言って、仕方なく続けている子供も少なくない。その結果、疲労困憊し心を病んでしまったり、不登校、円形脱毛症になってしまったりする子もいます」(前出・あるジュニアの指導者)

 今では子供のフィギュアが家庭不和の原因となることも珍しくない。

「母親が子供の練習や大会に熱を上げすぎると、どうしても家庭のことが疎かになりがちです。理解のある父親であればいいのですが、そうでない場合、子供のフィギュアが原因で離婚に至る夫婦も少なからずいます」(前出・あるジュニアの指導者)

※女性セブン2017年11月30日・12月7日号

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