では、両党が仮に合流したうえで“橋下代表”という最強のカードを切った場合、安倍一強の政界に地殻変動を引き起こすのか。政治評論家の屋山太郎氏は、「建設的議論ができる野党が誕生することで、実りある国会議論が期待できる」と語るが、「それを最も歓迎しているのは安倍首相自身だろう」とも付け加える。
「現在の衆院では立憲民主党が各委員会の野党筆頭理事を務め、委員会審議では激しい抵抗が予想される。国会運営は与野党の国対で進行を協議するが、立民の国対委員長は辻元清美氏だから簡単には妥協しない。だが、野党第一党が変われば国会運営は格段にやりやすくなる。希望と維新の合流を推進したいのは他ならぬ安倍総理だ」(自民党国対筋)
強烈なキャラクターと、本能的な政治勘で政界を期待させ、翻弄させ、惑わせる2人が手を組む展開を迎えても、所詮は「安倍首相の掌の上」の話なのか。
※週刊ポスト2017年12月1日号