出頭前の堀江貴文氏(2011年) 共同通信社


佐藤:あれは反知性主義の選挙でもあった。郵便局は1円も税金を使っていない組織でした。郵便事業は赤字でしたが、簡保と郵貯でまかなっていたんです。職員の給与も税金から支払われていたわけではなかった。小泉さんは国家に実害がない郵便局を官営から民営にすることで、小さな政府を実現させるんだと国民に思い込ませた。まったく関係のない問題を結びつけて、選挙に勝ってしまった。

片山:最大の問題は、小泉首相が確立した劇場型政治がいまも続き、社会そのものが破壊されたことです。かつて日本の社会は、よくも悪くも地域組織や労働組合や職能団体などの中間団体に支えられていた。しかしいまは宗教団体を除いては中間団体が弱体化し、一人一人の人間がバラバラにアトム化してしまった。その結果、連帯が弱まり、社会に不安が広がっている。

佐藤:ヨーロッパの中堅国ならいつ崩壊してもおかしくない状態ですからね。でも逆説的に言えば、日本の底力が証明されている。

片山:確かに。この状態で社会秩序を維持しているし、GDPも世界3位。この国はすごい(苦笑)。

佐藤:この時期、小泉政権が推進した新自由主義の影響で、非正規雇用が増加して社会問題になりました。一方では「格差の何が悪い」と言い切るライブドアの堀江貴文さんに代表される富裕層も現れた。彼は郵政選挙にも出馬しましたが、2006年1月に証券取引法違反で逮捕されてしまった【※注2】。

【※注2/堀江氏らの逮捕後、上場廃止。社名変更や子会社化を経て、ライブドア社は消滅。ポータルサイトはLINE社に引き継がれた】

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン