「意外ですが、沙知代さんからノムさんに電話をかけることは、まずありませんでした。練習やミーティングなど野球に集中しているかもしれないのに、邪魔をしてはいけないからだそうです。その代わり、夫婦にはこんなルールがありました。どこにいてもノムさんが寝る前に沙知代さんに電話すること。四十数年間、欠かしたことがない“ラブコール”です」(野村夫妻を知る野球評論家)

 沙知代さんは「私はいつも全力で家族を守っているの」と周囲には少し誇らしげに話していた。

「野村監督が知らず知らずのうちに野球に没頭できる環境をつくってあげていること。それが、沙知代夫人の誇りだったんじゃないでしょうか。それだけに、自分の騒動が連日ワイドショーで取り上げられた時は相当ショックだったようです。珍しいことですが、ある時、唇を震わせて、“野村克也にだけは迷惑をかけたくない。どうしたらいいんでしょう”と周囲に相談したこともありました」(スポーツ紙野球担当記者)

 克也さんは沙知代さんをよく「ドーベルマン」にたとえた。世間では「獰猛で手に負えない犬」というイメージで受け取られているが、実際は違うのだろう。

「“主人に従順で、命懸けで家を守ってくれる。誰よりも強くて頼りになる存在”という意味だったんでしょう。照れ屋の野村監督らしい、言い得て妙でした」(スポーツ紙デスク)

 沙知代さんは克也さんとの共著『野村セオリー』(海竜社)の中でこう書いている。

〈生まれ変わっても今の夫と結婚できるようにお願いするという奇特な人がいますが、私は真っ平。冥土であってもお互いに顔を伏せて、挨拶するのをやめようと言っているくらいです。今生限りで結構です〉

 照れ屋で、正直すぎて、周囲にどんなに誤解されようと、夫への愛と献身を貫き通した一生だった。

※女性セブン2018年1月1日号

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