一方で、テレビ局に勤務するお笑いファンの男性B氏(29歳)は、こう分析する。
「今年の敗者復活戦の中でもとくにレベルが高かったのは、大阪の『よしもと漫才劇場』に出演している若手芸人たちです。敗者復活戦に出場した20組のうち、『アインシュタイン』『霜降り明星』『セルライトスパ』『大自然』『からし蓮根』『見取り図』の6組が漫才劇場に出演している芸人です。
さらに、ファイナリストの『さや香』『ミキ』や、女芸人No.1を決める『THE W』(日本テレビ系)で優勝した『ゆりやんレトリィバァ』もその一人。劇場の所属芸人は、目が肥えた関西の客を前に日々研鑽を積んでいる。他事務所に所属する漫才師よりも、圧倒的に多くのステージ数を踏んでいるために、ショーレースにも強いのです。
そうした中で、私がもっとも注目しているのは、劇場のリーダーとして活動している『アインシュタイン』です。上方漫才協会と吉本興業の主催で行われている上方漫才協会大賞で2016年に大賞を受賞した実力派で、ボケ担当の“稲ちゃん”こと稲田直樹は、今いくよ・くるよが『吉本の宝』と呼び、『顔面世界遺産』などと評されています。
しかし、卑屈なブサイクネタには走らず、またポジティブで人当たりの良い性格から、関西では愛されキャラとして支持を得ている。一方、ツッコミ担当の河井ゆずるはツッコミスキルが高いだけでなく、イケメン芸人として若い女性ファンがとても多い。今後は関東でもブレイクするでしょう」(B氏)
M-1をきっかけに全国区でブレイクしたコンビは数多い。関西の若手漫才師の中から、次なるスターが現れるか。