ライフ

女性の関心高い死後の「献体」 自発的申し出故の盲点も

献体者の遺族に贈られる感謝状(日本篤志献体協会の小冊子より)

 近年、死後の「献体」が注目を集めている。親族や友人に葬式で見送られ、家の墓に入る──そんな“逝き方”が、当たり前ではなくなるかもしれないのだ。

 献体とは、医学・歯学の研究や教育のために遺体を無条件・無報酬で提供すること。医学部や歯学部のある全国91の大学と「献体篤志家団体」と呼ばれる57の組織などが窓口になり、2017年3月末時点で28万人超が登録済みだ。10年前に比べて7万人増で、登録は年々、増加している。

 献体が増えている要因には、費用面の問題もある。通夜や葬儀を省いて、火葬のみを行なう「直葬」は10万円台のケースもあるが、献体はさらに負担が少ない。

「保管や解剖後の火葬費用は1体数十万円ほどかかりますが、費用はすべて大学持ちとなり棺桶代や霊柩車代もかかりません。『費用ゼロと聞いたけど、どうしたら献体できますか』という問い合わせが少なくない」(葬祭ディレクターの寺尾俊一氏)

 注目度が増す献体だが、男性よりも女性の関心が高いという。

「男性が長いこと仕事ばかりの人生を送る一方、女性は介護など家庭内の様々な経験から、人生の終着点に関心が高い。

 この先は、“死んでまで夫と一緒の墓に入りたくない”と考える妻が『私、献体する』と急に言い出したり、妻から『子供のためにも、あなたが死んだら献体に出していい?』と不意に聞かれて夫がドキッとすることがあると考えられます」(寺尾氏)

関連キーワード

関連記事

トピックス

常盤貴子が明かす「芝居」と「暮らし」の幸福
【常盤貴子インタビュー】50代のテーマは「即興力」 心の声に正直に、お芝居でも日々の暮らしでも軽やかに生きる自分でありたい
週刊ポスト
ホストクラブで“色恋営業”にハマってしまったと打ち明ける被害女性のAさん(写真はAさん提供)
ホストにハマったAさんが告白する“1000万円シャンパンタワーの悪夢”「ホテルの部屋で殴る蹴るに加え、首を絞められ、髪の毛を抜かれ…」《深刻化する売掛トラブル》
NEWSポストセブン
西武・源田壮亮の不倫騒動から5カ月(左・時事通信フォト、右・Instagramより)
《西武源田と銀座クラブ女性の不倫報道から5か月》SNSが完全停止、妻・衛藤美彩が下していた決断…ベルーナドームで起きていた異変
NEWSポストセブン
大谷夫妻の第1子誕生から1ヶ月(AFP=時事)
《母乳かミルクか論争》大谷翔平の妻・真美子さんが直面か 日本よりも過敏なロスの根強い“母乳信仰”
NEWSポストセブン
麻薬の「運び屋」として利用されていたネコが保護された(時事通信フォト)
“麻薬を運ぶネコ” 刑務所の塀の上で保護 胴体にマリファナとコカインが巻きつけられ…囚人に“差し入れ”するところだった《中米・コスタリカ》
NEWSポストセブン
ホストクラブで“色恋営業”にハマってしまったと打ち明ける被害女性のAさん(写真はAさん提供)
〈ちゅーしたら魔法かかるかも?〉被害女性が告白する有名ホストクラブの“恐ろしい色恋営業”【行政処分の対象となった悪質ホストの手練手管とは】
NEWSポストセブン
公務のたびにファッションが注目される雅子さま(撮影/JMPA)
《ジャケットから着物まで》皇后雅子さまのすべての装いに“雅子さまらしさ“がある理由  「ブルー」や小物使い、パンツルックに見るファッションセンス
NEWSポストセブン
小室圭さんと眞子さん(2025年5月)
《英才教育》小室眞子さんと小室圭さん、コネチカット州背景に“2人だけの力で”子どもを育てる覚悟
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
【ステーキの焼き方に一家言】産後の小室眞子さんを支えるパパ・小室圭さんの“自慢の手料理”とは 「20年以上お弁当手作り」母・佳代さんの“食育”の影響
NEWSポストセブン
不正駐輪を取り締まるビジネスが(CPGのHPより)
《不正駐輪車を勝手にロック》罰金請求をするビジネスに弁護士は「法的根拠が不明確」と指摘…運営会社は「適正な基準を元に決定」と主張
NEWSポストセブン
「子供のころの夢はスーパーマンだった」前田投手(時事通信フォト)
《ワンオペ育児と旦那の世話に限界を…》米国残留の前田健太投手、別居中の元女子アナ妻が明かした“日本での新生活”
NEWSポストセブン
眞子さんと佳子さま(時事通信フォト)
《眞子さん出産発表の裏に“里帰りせず”の深い溝》秋篠宮夫妻と眞子さんをつないだ“佳子さんの姉妹愛”
NEWSポストセブン