芸能

竹野内豊、三浦春馬、工藤阿須加に「殻を破った男」の評価

クールな二枚目から大胆に変身

 役者という仕事の特性を考えた場合、良い意味で「期待を裏切る」ことこそ勲章である。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が下半期の作品のなかから「印象的な仕事」について言及した。

 * * *
 いよいよ年の瀬。1年を振り返れば、さまざまな役者たちがドラマの中で格闘する姿がありました。中でも、自分の殻を打ち破ろうとした役者から多くの勇気と感動をもらいました。

 役者には、自分が望むかどうかに関係なく、まとっているイメージというものがあります。こびりついてしまった印象も。そうした固い殻を「壊す」となれば、ものすごいエネルギーが必要になるはず。破壊力のみならず、深い思慮や準備もなければ、かなわないことでしょう。

 ということで2017年後期のドラマで「殻を破る果敢な挑戦」をした3人の男優を挙げようと思います。

1.竹野内豊 『この声をきみに』(NHK総合)

 竹野内豊さんといえばモデル出身。すらっと長身でスマートな二枚目というイメージでした。逆から言えば、そのイメージが邪魔をしてどんな人物をやってもなんとなく同じトーン、ややもの足りなさもあった。ところが『この声をきみに』で大胆に変身。

 無精髭、くたびれたシャツ、よれよれの綿パン。街に溶け込んでしまうくらいオーラを消しきり凡人に成った感がすごい。ヨレヨレファッションがこうも似合うとは……。きっと、クールな二枚目都会人のイメージを覆すのはたいへんだったはず。しかも、中年になったこの時期に自分の壁をぶち破すに至った意欲に、一票を入れたい。

 竹野内さんが演じたのは、妻に愛想を尽かされ家を出て行かれてしまった情けない中年数学講師・穂波孝。プライドが高くてサービス精神のかけらもなく、他人の気持ちがわからない頑固者の穂波が、たまたま出会った朗読教室で「声を出す」レッスンを重ねていく。それをきっかけにして、自分自身のあり方も変えていこうともがく。中年男の姿が切なく歯がゆくて、格好良かった。こういう格好良さもあるのだと教えられました。

「人生をやり直すことはできないけれど、『これからの人生を変えることが誰しもができる!」と感じました。『これからの人生を変える』ということは、今までの自分を改めて、新しい1歩を踏み出さなくてはいけない・・・そのたった1歩を踏み出すことに、ものすごい勇気がいる」(「映画.com」2017年7月21日)とドラマについて語っていた竹野内さん。意欲をもって取り組み、変身した姿をきっちりと示してくれました。

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
山下智久と赤西仁。赤西は昨年末、離婚も公表した
山下智久が赤西仁らに続いてCM出演へ 元ジャニーズの連続起用に「一括りにされているみたい」とモヤモヤ、過去には“絶交”事件も 
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン