女優と介護士、「生もの」という点では似ているんです。例えば舞台に立っていると、感動してくださっている観客の反応をつぶさに感じます。同じように介護でも、利用者さんの思いを感じ取り、気持ちが通じあったなと思える瞬間があり、それが喜びなんです。
長い間、おぜん立てされたレールの上を走ってきましたが、今は自分で歩む人生を必死に取り戻しています。
●きたはら・さわこ/2007年にホームヘルパー2級の資格を取得して以来、女優業の傍ら介護業界で働く。2014年に介護福祉士、2016年にケアマネジャーの資格を取得。介護をテーマにした講演活動やボランティア活動「いのちと心の朗読会」等を行なう。
※週刊ポスト2018年1月26日号