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保護犬・保護猫の譲渡 具体的な条件や流れについて解説

ペットの譲渡の条件は厳しいケースが多い(写真/アフロ)

 以前、ペットを迎える選択肢として保護犬・保護猫を引き取る“譲渡”を利用する人が増えているとお伝えしたが、希望すれば誰でも譲渡が可能というわけではない。今回は具体的な譲渡の条件や流れについて紹介する。

 譲渡の条件は、自治体や保護団体によって異なる。

「NPO法人『犬と猫のためのライフボート』の場合、61才以上のかたは後見人を立ててもらいます。最近は犬も猫も15年以上は生きます。万が一、飼い主が病に倒れた場合、残された家族が、人とペットを同時に世話することは大変だからです」(NPO法人犬と猫のためのライフボート理事長・稲葉友治さん)

 かといって、年齢が若い場合も、飼育できるだけの経済力があるかなどが不安材料となるため、未成年者のみでの面会も断っているという。

 二度と捨てられないよう、ペットの譲渡条件は厳しいケースが多く、たいていの場合、20才以上でペットを終生飼育する経済力があるか、ペット可の住居に住んでいるかなどが確認される。さらに犬の場合は日中の留守時間も重要で、最低でも子犬で9時間、成犬でも12時間以内に家に帰って来られる環境が求められる。

◆もっとも大切なのは家族全員の同意

 特に念入りに確認するのが、飼育について家族全員の同意が得られているかだという。

「家族に反対している人や、動物アレルギーを持っている人がいる場合が意外と多いんです。後々、しつけがうまくいかないなどのトラブルになりかねないので、事前の家族会議は大切です」(前出・稲葉さん、「」内以下同)

 その他、不必要な繁殖を防ぐために不妊・去勢手術を受けさせるなど細かい条件も。条件を満たしていない場合は、断られることもある。

 そのため、条件が厳しすぎて迎えたくても迎えられないと、不満の声も上がっている。

「譲渡された犬や猫たちが、また飼育放棄されたり、悲しい思いをしないためにやむを得ないこと。命のやり取りなので、渡す側の私たちは慎重に慎重を重ねています」

◆見た目や種類に惑わされず、性格で判断を!

 譲渡の条件をクリアしたら、自分の生活スタイルや家族構成に合った犬・猫を選んでいく。犬や猫にも個性はあり、自分や家族との相性も見分けなければいけない。

「“一緒に遊びたい”“同じ空間で過ごして癒されたい”など、迎えた時にどのような生活を送りたいのか、具体的なイメージをもつことが大切です。活発な子、一匹でのんびり過ごすのが好きな子など、性格もさまざまなので、見た目や種類で判断せず、気になる子がいたら、職員に性格などを聞いてください」

 犬や猫のほうから近寄って来てくれるのも、相性のよさを示すポイントの1つだ。

 正式な譲渡前に、トライアル期間を設けている団体も多いので、試してみるのも手だ。ただし、あくまで飼うのを前提としているので、安易な気持ちでお試しはしないこと。

※女性セブン2018年2月1日号

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