大阪万博で幕を開けた1970年代は、日本国有鉄道(国鉄)の大々的なキャンペーンで若い女性の間で国内観光ブームが到来。そして、「モーレツからビューティフルへ」の言葉に代表されるように、「モノの豊かさ」から「内面の豊かさ」へと広告の方向性が変化していった。さらに1980年代に入ると、商品を「いい、悪い」ではなく「好き、嫌い」で判断する新たな物差しが登場。個人の価値観に訴えかける広告が誕生した。
やがて大量生産・大量消費の行き詰まりでバブルは崩壊、昭和は終わりを告げる。ここで、昭和の広告ポスターを飾った女優たちを紹介しよう。
●前田美波里──1966年、資生堂「ビューティケイク」で登場。無名に近かった17歳の前田美波里を起用し、日本初の海外ロケで製作されたポスターは、店先に貼るたびに盗まれたという。ロケ地は、当時の憧れの地・ハワイ。
●由美かおる──1967年、三共製薬「ルルゴールド」で登場。モデルは歌手としても活躍していた17歳の由美かおるを起用。「クシャミ3回、ルル3錠」のヒットコピーで国内の風邪薬市場を牽引した。