「においがするようになったのは、昨年末ぐらいから。コンビニの跡地に酵素風呂ができると聞いて気になっていたんですが、とにかくひどいにおいで。うちの子供なんかは、店の前を通るたび“臭い、臭い!”って叫びながら走り抜けているくらいです」
別の近隣住民が続ける。
「窓を閉め切っているのに、家の中にいてもにおうんですよ。食事時なんかはもう最悪。においのせいで食事もままならないほどです。そもそも、室外機ににおい対策用のフィルターが入っていなかったんですって。クレームがあって急いで準備したらしいですけど、そんなことオープン前にやっておいてほしかった。しかも、フィルターを入れるっていう日付を過ぎても、全然においはおさまりません」
店の入っているビルの関係者は、別の怒りを吐露する。
「朝、洗濯物を干して出かけたら、ものすごい悪臭がついていたんです。とてもじゃないけど洗い直しましたよ。それ以来、洗濯物を外に干せなくなってしまいました。あまりのにおいにクレームを入れた人もいたそうです。そうしたら店の代表を名乗る人が訪ねてきたそうですが、“酵素風呂そのものは体によいもので”って的外れな説明を始めたんですって。そんなこと私たちには関係ないから、今すぐこの不快なにおいを止めてくれって感じです」
◆弁護士の見解は?
最近では、職場などで過剰なほどの香水や柔軟剤などのにおいを振りまいて周囲を不快にすることを『スメルハラスメント』と呼んでいる。頭痛やめまいといった症状を訴えるケースもあるという。
目に見えないにおいが、大きなトラブルの原因にもなりかねない。レイ法律事務所の松下真由美弁護士が解説する。
「悪臭を規制する法律として『悪臭防止法』があり、各都道府県ごとに特定悪臭物質と臭気指数の規制基準が定められています。この法律に違反し、基準をこえる不快なにおいによって周辺住民の生活環境を損なっていると認められる場合には、改善勧告や改善命令が出されます。もしその命令に従わなければ、1年以下の懲役、または100万円以下の罰金が科せられます。また、仮に違反がなかったとしても、今回のケースは平穏な生活をする権利を害しているといえます。その場合、民法上での慰謝料請求が認められる場合もあります」
実際、2001年に神戸地裁で焼き鳥店の臭気発生の差し止めと、慰謝料の支払いが命じられたこともある。
そして、酵素風呂専門店の担当者に話を聞くと、「近隣のかたからご意見をいただいたのは事実です。現在、においを完全になくすため、工事などの対処をすすめています」という答えだった。
《酵素いるだけで元気になるみたいです。私はツヤツヤに芯から温まりました。(中略)身体が温かいと優しくなれる。私はそう感じます》
海老蔵はブログにそう綴っていた。近隣住民にも優しさを。
※女性セブン2018年2月8日号