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2018.01.27 16:00  週刊ポスト

鹿賀丈史 映画の新人を温かく迎えてくれた松田優作の思い出

「一本の映画を撮るのにいろいろな場所へ行って、日にちをかけて、贅沢な撮り方をするんだな、と思いました。それから、出演者の多い映画に出るのは初めてでしたので、自分が関わっていない場面がこう繋がっていくんだという面白さに気づき、映画って監督の手の中にあるんだということを知りました。

 金田一は飄々とした人間だと思います。フラッと現われて、その中で眼光鋭く物事を捉える。でも、あくまで推理力よりも不思議な自由人。そういうことを意識して演じました」

 1984年の和田誠監督『麻雀放浪記』では、カモから金を巻き上げる雀士・ドサ健を演じた。

「まず脚本がよくできていましたね。戦後間もない時期の雨漏りしそうな小屋で麻雀に足を突っ込んでいった人間たちの姿が描かれていました。それに和田監督も俳優に優しくて。毎日、絵コンテを描いてきてセットの前に張って、これから撮るシーンがアップのサイズまで書いてある。おかげで、ドサ健の役作りがしやすかったです。

 ドサ健は女を麻雀のカタにするような男ですが、決して悪い人間ではなくて、時代が生んだ男なんだと捉えました。

 あの時期は大きな作品ばかり次々と来ました。映画に出ているうちに刑事ドラマにも出たりして。ですから、三十半ばまで、あれよあれよ。恵まれているという想いが相当強かったです」

●かすが・たいち/1977年、東京都生まれ。主な著書に『天才 勝新太郎』『鬼才 五社英雄の生涯』(ともに文藝春秋)、『なぜ時代劇は滅びるのか』(新潮社)など。本連載をまとめた『役者は一日にしてならず』(小学館)が発売中。

【鹿賀丈史×市村正親主演ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール』】日生劇場(3月9~31日)などで全国公演

※週刊ポスト2018年2月2日号

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