同じ循環器疾患である脳卒中もストレスとの関連性が深い。そのメカニズムを帝京大学大学院教授で帝京大学医学部付属病院心療内科医師の中尾睦宏氏が解説する。
「循環器疾患とストレスの関係性については1970年代から研究が進み、徐々にメカニズムが解明されつつあります。理由のひとつは、ストレスを感じると副腎皮質ホルモンであるコルチゾールなど“ストレスホルモン”の値が高くなることです。これらにより、心拍数が上がって血流が増え、その負荷によって血管がダメージを受けて、脳卒中や心筋梗塞などの循環器系の病気につながるのです。
次に、ストレスがかかると交感神経が過活動を起こして自律神経のバランスが崩れ、興奮や血圧上昇などにより血管や心臓に負荷がかかることがあげられます」
「病は気から」というが、ストレスががん、脳卒中、心筋梗塞という日本人の半数以上が命を落とす3大疾病」の要因であるというのは医学界の常識になっている。
※週刊ポスト2018年2月9日号