国際情報

特定の歴史観をもつ学者が中国メディアに重用される実態あり

中国メディアは認識を改めるべき(Avalon/時事通信フォト)

 中国のメディアで、日本と対立する問題がどう報じられているかをチェックすると、頻繁に日本の識者が登場することに気づく。共産党の完全統制下にある中国メディアに登場すると、本人の意図とは関わりなく、「反日宣伝」に利用される恐れがある。

 政治学者の山口二郎・法政大学教授はCCTV(中国中央テレビ)の取材に答え、森友学園問題について次のように述べた(2017年3月26日)。

〈日本の政治に右翼思想がはびこっているのは、大きな問題です。森友学園のような子供たちに右翼思想を教える教育機関が土地を購入して小学校を開設する際に、中央政府及び地方政府からこれほどの待遇を受ける。これは今の日本の政権中枢に右翼思想に賛同する人物がはびこっていることを表します〉

 山口氏は2015年8月30日の国会前安保反対集会で、「安倍に言いたい、お前は人間じゃない。たたっ斬ってやる!」と叫び、物議を醸した。

 その意味では山口氏のいつもの発言ではあるが、中国の国営メディアで日本の学者の発言として流されることをどう考えるのか。

「私は、安倍政権こそ日本にとって有害であると考えているので、国内外を問わず、メディアから意見を求められれば、自分の考えを話している。日本には政府を批判する人もいることを示すのは、日本に言論の自由があり、まだまだ民主主義国であることを示す重要な証拠となる。中国による日本批判に加担するなど、とんでもない言いがかりである。その種の言いがかりを恐れて、自国を批判することを識者、メディアが放棄すれば、それこそ日本が中国のような言論不自由の国になることを意味する」(山口氏)

 その言論不自由の国のメディアに都合良く利用されていなければいいのだが。

関連キーワード

関連記事

トピックス

《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
NEWSポストセブン
LUNA SEA・真矢
と元モー娘。・石黒彩(Instagramより)
《80歳になる金婚式までがんばってほしい》脳腫瘍公表のLUNA SEA・真矢へ愛妻・元モー娘。石黒彩の願い「妻へのプレゼントにウェディングドレスで銀婚式」
NEWSポストセブン
昨年10月の総裁選で石破首相と一騎打ちとなった高市早苗氏(時事通信フォト)
「高市早苗氏という“最後の切り札”を出すか、小泉進次郎氏で“延命”するか…」フィフィ氏が分析する総裁選の“ウラの争点”【石破茂首相が辞任表明】
NEWSポストセブン
万博で身につけた”天然うるし珠イヤリング“(2025年8月23日、撮影/JMPA)
《“佳子さま売れ”のなぜ?》2990円ニット、5500円イヤリング…プチプラで華やかに見せるファッションリーダーぶり
NEWSポストセブン
次の首相の後任はどうなるのか(時事通信フォト)
《自民党総裁有力候補に党内から不安》高市早苗氏は「右過ぎて参政党と連立なんてことも言い出しかねない」、小泉進次郎氏は「中身の薄さはいかんともしがたい」の評
NEWSポストセブン
阪神の中野拓夢(時事通信フォト)
《阪神優勝の立役者》選手会長・中野拓夢を献身的に支える“3歳年上のインスタグラマー妻”が貫く「徹底した配慮」
NEWSポストセブン
9年の濃厚な女優人生を駆け抜けた夏目雅子さん(撮影/田川清美)
《没後40年・夏目雅子さんを偲ぶ》永遠の「原石」として記憶に刻まれた女優 『瀬戸内少年野球団』での天真爛漫さは「技巧では決して表現できない境地」
週刊ポスト
朝比ライオさん
《マルチ2世家族の壮絶な実態》「母は姉の制服を切り刻み…」「包丁を手に『アンタを殺して私も死ぬ』と」京大合格も就職も母の“アップへの成果報告”に利用された
NEWSポストセブン
チームには多くの不安材料が
《大谷翔平のポストシーズンに不安材料》ドジャースで深刻な「セットアッパー&クローザー不足」、大谷をクローザーで起用するプランもあるか
週刊ポスト
ブリトニー・スピアーズ(時事通信フォト)
《ブリトニー・スピアーズの現在》“スケ感がスゴい”レオタード姿を公開…腰をくねらせ胸元をさすって踊る様子に「誰か助けてあげられないか?」とファンが心配 
NEWSポストセブン
政権の命運を握る存在に(時事通信フォト)
《岸田文雄・前首相の奸計》「加藤の乱」から学んだ倒閣運動 石破降ろしの汚れ役は旧安倍派や麻生派にやらせ、自らはキャスティングボートを握った
週刊ポスト
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン