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明治期「兎バブル」の悲劇、ブーム過熱で殺人や詐欺も起きた

ウサギを巡って殺人も

 明治維新から150年を迎え、維新の立て役者・西郷隆盛を描いた大河ドラマ『西郷どん』も話題になっている。そんな明治時代の意外な流行を振り返ってみよう。

●兎バブル
 明治4(1871)年頃から突如、兎の飼育ブームが起こった。もっとも、ペットというより投機が主目的で、毛色や耳の形の珍しいものが高値で売買された。ところが、あまりにブームが過熱して身を持ち崩す者が急増し、殺人や詐欺までもが起こった。

 見かねた政府が1羽につき月1円の税を課すことを発表して急速に下火になったが、価値のなくなった兎を捨てたり、殺したりする者が続出した。

●運動会
 明治7(1874)年3月に東京・築地の海軍兵学寮でイギリス人教師の指導のもと開催された「競闘遊戯会」が、日本初の運動会とされる。

 寮生の体力増進を目的とし、徒競走や幅跳びなどの他、油まみれの豚を捕まえる豚追い競走、卵拾い競走など今の運動会に通じるような種目が実施された。明治16(1883)年6月には東京大学で「運動会」が開催。その2年後、運動会は小学校での実施が奨励され、全国に広まった。

●コスプレ
 伊藤博文がヴェニスの貴族、井上馨が三河万才、渋沢栄一が山伏……。これは、明治20(1887)年4月20日に伊藤博文総理大臣官邸で開かれた舞踏会での扮装の一部。当時、政府は西洋風を真似るのが文明開化の早道と、従来の伝統や文化を欧米風にする欧化主義を進めていた。こうした仮装舞踏会もそのひとつだったが、肝心の外国人からは冷ややかな目で見られ、国民からは反感を買う結果となった。

※週刊ポスト2018年3月2日号

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