そして、長く苦境にあった「米消費」は下げ止まりの兆候を見せている。米への消費支出は2007年には2万4932円あったが、以降は右肩下がり。2015年には1万8249円と2万円を割り込んだ。しかし翌2016年には1万8634円、今回の2017年の調査では1万8917円と底を打ち、数字上はじわじわと回復傾向にある。
米は各都道府県で新品種の開発が進み、新ブランドのPR合戦も盛んに行われている。牛豚鶏といった畜産では、各生産者が打ち出す独自ブランドも定着しつつある。魚も2014年に結成された東北の若手漁師集団「フィッシャーマンジャパン」以降、漁法や処理に手をかけた漁師ブランドが各所で立ち上がり始めた。
現代の「食」には、消費者の嗜好に耐えうるコンテンツとしての強靭さと多様性も求められる。資源と文化を枯渇させないためにも、「日本の食」はさらなる進化が望まれている。