◆あくまで“安全性を補助”
「ADAS」(アドバンスド・ドライバー・アシスタンス・システム)と呼ばれる安全装置も、年々技術が向上しているという。
「運転には認知・判断・操作などの能力が必要ですが、高齢になるにつれて低下していく。それらの能力をサポートするのがADASです。たとえば、ステアリング補助で、カーブや凍結路面での運転をサポートしたり、ハンドリングが危なくなれば警報が鳴ったりします」(桃田氏)
ただし、ADASも自動ブレーキと同様、あくまで“安全性を補助”するシステムであり、「最終的に事故を回避できるかどうかはドライバーの運転技術や能力に委ねざるを得ないことに変わりはない」(前出・桃田氏)のが現実だ。
反対車線から暴走した車がいきなり突っ込んでくる──そんな想像しようもない事態が起き、1人の命が失なわれた。この出来事は、自動車メーカーにも、ドライバーにも、そして高齢化がさらに進む日本社会にも様々な課題を浮き彫りにした。
※週刊ポスト2018年3月9日号