◆猫を飼いたかったら同居人を見つけよ

「ペットロスになる前に、小さい猫を飼えば」

 しばらく前のことだけど、そうすすめてくれたのは、私の最年長のBF、Oさん(86才)だ。その彼がひどく落ち込んだ様子で「オレ、もう猫を飼えないんだよ」と電話してきたの。飼っていた猫を交通事故で亡くしたので、猫をもらい受けようと保健所へ行ったら、「あなたの年齢の人には渡せません」と言われたんだって。

「娘がいるから大丈夫です」というと、「じゃ、その娘さんをよこしてください」。

 さらに保健所の人は、「娘さんは独身ですか? それだとちょっと…」と言葉を濁したんだそう。その話を聞いてネットで調べたら、保健所だけじゃない。民間の里親譲渡会でも「おひとり様はご遠慮ください」が常識なんだね。

 つまり私が新たに猫を飼いたくなったら、その前に同居人を見つけろということよ。それができたら、18年もひとりで猫の背中をなでてるかって。私好みの、茶トラかキジトラの子猫を、再び飼うのは絶望的? そういえば、昨年の秋、たまたま訪れた旭山動物園(北海道・旭川市)で坂東元園長がこんなことを言っていたっけ。

「『飼い猫は去勢しましょう』と当たり前のように言うけど、それが完全に実現したら、この世から猫はいなくなりますよ」

 うちの猫だって耳には去勢の印が入っているし、弱くなった心臓を強心剤で動かしている。

「自然」だの「エコ」だのって、口で言うほど生やさしいことじゃないんだよね。

※女性セブン2018年3月22日号

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