国内

還暦オバ記者 18才愛猫の病気治療に5万円出費を明かす

おひとり様は猫をご遠慮ください?(写真/アフロ)

 還暦にして富士登山や空中ブランコなどの体当たり取材や、客室清掃アルバイトなどさまざまな経験を持つ、女性セブンの名物記者“オバ記者”こと野原広子。そんな彼女が、今回は18年も連れ添った老猫の病気の医療費に5万円かけた体験を語る。

 * * *
 散歩の途中、タタタと用事ありそうに道を横切る猫と出会うと無性にうれしくなる。だけど最近の“猫ブーム”にはすごく抵抗があるんだわ。テレビ、書店、街の雑貨屋、100均。先日は銀座の有名靴店のウインドーに飾ってあるパンプスまで猫、猫、猫で、世の中、猫だらけ。

 先週号のセブンで“猫おばさん逮捕”について詳報していたけど、大きく勘違いする人だって出てくるって。

「猫には猫の生き方があるんだよ。それを曲げるのは人間の身勝手」

 そう毒づいていた直後よ。18才の飼い猫が立ち上がれなくなったの。そのとたん私は、「猫としての生き方」もへったくれもなくなったんだわ。

◆18年連れ添った老猫を病院に連れていくと

 ある朝見たら、うちの猫が左足の足の甲を下にして、引きずりながらトイレに行くの。その翌日には、エサも食べず、トイレにも行かずに椅子の下でじっとうずくまって、呼びかけると、かすれた細い声が返ってくる。

「そら、長いことないな。年も年だし、覚悟した方がいいよ。年をとった猫に薬をのませると、最後に苦しむよ」

 そう言ったのは、田舎でたくさんの犬猫に囲まれているE子(61才)だ。

「私もそう思うよ」

 その時はそう言ったのに、翌日には、猫をケージに入れて動物病院へ急いでいるんだよ。若く情熱に燃えた獣医師がそろっている病院で、「じゃ、診察します」と言うなり、血液検査に心電図、エコーをあて、「心臓の動きが弱っていて、足が動かないのはそのせいです」と強心剤を出され、3万4800円。1週間後の再診で3週間の薬を処方され1万4400円。

 茨城の89才の母親が知ったら、「罰当たりッ」とどれだけ怒るか。昭和初期に農家で生まれた母親は、犬や猫はかわいがるけど、死んだらそれまで。人が手を入れて命を長らえさせるもんじゃないという、カッコたる考えがある。

「生態系を壊すな」なんて気の利いたことは言わないけれど、そういうことを言いたいんだろうなと、納得はするの。

 だけど薬が劇的に効いて、食欲が戻り、掃除機で体を吸わせ、身をよじって喜ぶ姿を見ると、薬をやめる踏ん切りがどうしてもつかないんだよ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

若手俳優として活躍していた清水尋也(時事通信フォト)
「もしあのまま制作していたら…」俳優・清水尋也が出演していた「Honda高級車CM」が逮捕前にお蔵入り…企業が明かした“制作中止の理由”《大麻所持で執行猶予付き有罪判決》
NEWSポストセブン
「正しい保守のあり方」「政権の右傾化への憂慮」などについて語った前外相。岩屋毅氏
「高市首相は中国の誤解を解くために説明すべき」「右傾化すれば政権を問わずアラートを出す」前外相・岩屋毅氏がピシャリ《“存立危機事態”発言を中学生記者が直撃》
NEWSポストセブン
3児の母となった加藤あい(43)
3児の母となった加藤あいが語る「母親として強くなってきた」 楽観的に子育てを楽しむ姿勢と「好奇心を大切にしてほしい」の思い
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
過去にも”ストーカー殺人未遂”で逮捕されていた谷本将志容疑者(35)。判決文にはその衝撃の犯行内容が記されていた(共同通信)
神戸ストーカー刺殺“金髪メッシュ男” 谷本将志被告が起訴、「娘がいない日常に慣れることはありません」被害者の両親が明かした“癒えぬ悲しみ”
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン
木瀬親方
木瀬親方が弟子の暴力問題の「2階級降格」で理事選への出馬が絶望的に 出羽海一門は候補者調整遅れていたが、元大関・栃東の玉ノ井親方が理事の有力候補に
NEWSポストセブン
和歌山県警(左、時事通信)幹部がソープランド「エンペラー」(右)を無料タカりか
《和歌山県警元幹部がソープ無料タカり》「身長155、バスト85以下の細身さんは余ってませんか?」摘発ちらつかせ執拗にLINE…摘発された経営者が怒りの告発「『いつでもあげられるからね』と脅された」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《趣里と三山凌輝の子供にも言及》「アカチャンホンポに行きました…」伊藤蘭がディナーショーで明かした母娘の現在「私たち夫婦もよりしっかり」
NEWSポストセブン
高石あかりを撮り下ろし&インタビュー
『ばけばけ』ヒロイン・高石あかり・撮り下ろし&インタビュー 「2人がどう結ばれ、『うらめしい。けど、すばらしい日々』を歩いていくのか。最後まで見守っていただけたら嬉しいです!」
週刊ポスト
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン