国際情報

中国版ユーチューバー 荒稼ぎ報告続出で新規参入止まず

動画で一攫千金が可能な時代に(写真:アフロ)

 ネットの普及で動画市場が爆発的に伸長しているのは中国も同じだ。現地の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏が指摘する。

 * * *
 ネット上の言論にまで厳しく目を光らせていると報じられる中国だが、その一方で、ネットの中には当局の監視の目が行き届かない世界も広がり始めている。

 そのキーワードは中国の「直播」(ライブ)と呼ばれるものだ。これは「中国版ユーチューバー」とも呼ばれているが、要するに個人でネット上に動画を投稿したり、ライブで視聴者(会員)に情報を届けたりする類いの活動のことだ。

 大半は、料理のレシピや作り方、上手なメイクの仕方などといったものだが、昨年にこのライブを通じて大金を得たという報道が流れると、参入者が激増し、それにともなって内容も過激化していった。いまでは多くの伝統メディアが問題を特集するなど大きな社会問題になっている。

 そうしたなか、四川省を中心にライブに対し大規模な取り締まりが行われて話題となった。

 報じているのは四川省の封面新聞(2月28日付)である。タイトルは、〈多数のネットライブ局がワイセツな内容を報じたとして調査対象に 100近い女性のライブ発信者がわずか40日間で1000万元(約1億6700万円)を超える収入を手に〉である。

 取り締まりの対象となったのは浙江省、江蘇省、広東省、湖北省、福建省、上海市などに広がるライブで、「泛(汎)果」、「星雲直播」など。これらは10月20日から11月30日までの40日間でタイトルのような荒稼ぎをしていたというのだから、新規参入が止まらないのもうなずける。

 ちなみに「泛果」の会員数は、約68万人というから、個人が相手にするレベルではない。北京のテレビ関係者が語る。

「会員数の多さを見ても、ここにニーズがあることは確か。発信者にも大きな収入が約束されているとなれば、これが放っておかれるはずはありません。今回、大規模な取り締まりがあったといっても、いたちごっこになるのは目に見えています。力で抑え込むことも難しいでしょうね」

 なし崩しにアングラな世界が広がっていくことも、心配されているというのだ。

関連キーワード

トピックス

永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
国民に「リトル・マリウス」と呼ばれ親しまれてきたマリウス・ボルグ・ホイビー氏(NTB/共同通信イメージズ)
ノルウェー王室の人気者「リトル・マリウス」がレイプ4件を含む32件の罪で衝撃の起訴「壁に刺さったナイフ」「複数の女性の性的画像」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン
ドバイのアパートにて違法薬物所持の疑いで逮捕されたイギリス出身のミア・オブライエン容疑者(23)(寄付サイト『GoFundMe』より)
「性器に電気を流された」「監房に7人、レイプは日常茶飯事」ドバイ“地獄の刑務所”に収監されたイギリス人女性容疑者(23)の過酷な環境《アラビア語の裁判で終身刑》
NEWSポストセブン
Aさんの乳首や指を切断したなどとして逮捕、起訴された
「痛がるのを見るのが好き」恋人の指を切断した被告女性(23)の猟奇的素顔…検察が明かしたスマホ禁止、通帳没収の“心理的支配”
NEWSポストセブン