◆筧千佐子被告の考え

 恩赦についての考えも関係者が置かれた立場によって変わる。

 今も無実を訴えて再審請求を続けているある死刑囚に、関係者が恩赦を求める意志がないかを聞いたところ、こんな答え方だったという。

「俺は無実なので、恩赦を考えるはずがない。だいたい、死刑囚が恩赦になるなんてないだろう。もうちょっとすれば今年の秋にも無実が証明されるはずだ……」

 恩赦の審議対象となるのは刑が確定している受刑者だけであり、死刑判決を受けて控訴・上告中の場合は対象外とされる。斎藤氏は言う。

「昭和天皇の容態が急変した際には、拘置所や刑務所で恩赦にまつわる噂が広まり、下級審で死刑判決を受けながらも裁判を続けていた被告4人が恩赦に期待して、控訴、上告を取り下げて死刑を確定させたことがあった。しかし、4人とも対象にはならず、刑は執行されました」

 昨年11月に京都地裁で死刑判決が下されたのが、近畿3府県において夫や内縁男性ら4人に青酸化合物を飲ませて殺人と強盗殺人未遂の罪に問われている筧千佐子被告だ。即日控訴した彼女を取材するノンフィクションライターの小野一光氏は、3月上旬に京都拘置所で面会した際、彼女に恩赦を求める可能性について質問した。

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