「恩赦は知ってるけど、私にあるとは思っていない」と前置きした上で、筧被告はこう続けたという。
「もし信頼する弁護士がいて、恩赦の可能性があるというのなら、考える。親にもらった命やから。ただ……軽い罪をやった人に恩赦があるのは分かるけど、私みたいに人を殺めてたら、恩赦はないでしょう」
多くの人の運命を左右する“平成最後の日”は、1年後に迫っている。
◆文/斎藤充功(ノンフィクション作家)と本誌取材班
●さいとう・みちのり/1941年東京都出身。近現代史や凶悪事件を中心に取材、執筆活動を続ける。『3650 死刑囚小田島鐵男“モンスター”と呼ばれた殺人者との10年間』(ミリオン出版)など著書多数。新著に『恩赦と死刑囚』(洋泉社新書y)がある。
※週刊ポスト2018年3月23・30日号