そんな小田島に、斎藤氏は一度だけ「恩赦」の話題を振ったことがある。すると、「俺のように死刑を確定させて執行を待つ身には、恩赦なんて考えられません」と語ったという。

 その小田島は昨年初めに食道がんに冒されていることが発覚し、同年9月に74歳で獄中死した。

「『治療に金をかける必要なんてないんです』と語り、痛み止めの薬だけで耐えていました。苦痛に耐えることが被害者遺族に対する贖罪だったのでしょう。最期は枯れ木のようにやせ細っていました」(斎藤氏)

 一言に“死刑を免れる恩赦”と言っても、受け止める関係者の胸中は単純ではないのだ。

 昨年10月、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』が重犯罪者の息子のインタビューを放送し、話題となった。その事件とは、2002年に発覚した北九州市連続監禁殺人事件だ。内縁関係にあった松永太死刑囚と緒方純子受刑者が、マンションの一室で7人を殺害。同番組チーフプロデューサーの張江泰之氏は、両親の「恩赦」の可能性について息子に尋ねた際のことをこう証言する。

「しばらく間を置き『ごめん、その答えには答えたくない』と言われてしまいました。おそらく、恩赦でどんなことが起きるのかを考えること自体が怖いんだと思います」

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