国際情報

中国で児童の性被害が問題に ネットで誘い出される例が多い

スマホが犯罪の端緒となってしまうことも

 ネットによってコミュニケーションのあり方が変わったことが、こんなところにも影響している。中国の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。

 * * *
 児童に対する性犯罪が社会問題化している中国で、その実態を調査した内容が公表された。

 中国少年・児童文化芸術基金会女児保護基金(女児保護基金)が公開した『2017 児童に対する性犯罪及び性犯罪防止教育調査報告』(以下、『報告』)である。『報告』のなかで明らかにされたのは、昨年一年間、中国では公にされた(メディアで報じられた)ケースだけでも、児童に対する性犯罪は、全国で378件も起きていて、これは毎日平均1.04件起きていた計算になるという。

 ネットメディア『東方網』が3月3日付で報じている。

 女児保護基金によれば児童が被害者となる性犯罪の件数は、2016年の433件からは減っているものの、2013年の125件からは大きく増えているという。

 今回の『報告』で衝撃的だったのは、被害女児の最低年齢が1歳であったと報じられたことだ。

 犯罪件数を人数で見たとき、2017年の被害児童数(報道のなかで複数と表記されたケースを3人として計算した)は計606人。うち、女児は548人で全体の90.43%を占めていた。

 女児保護基金の調査によれば、被害者606人のうち、7歳以下は65人で10.73%。7歳から12歳が199人で32.84%。12歳から14歳が191人で31.52%だった。年齢が報じられなかった151人を除く統計だが、やはり圧倒的に7歳から14歳までが被害に遭うケースが多いことが分かる。

 犯罪が発生する場所としては農村と都市との区別では都市が6割を占めていたのだが、その原因として指摘されていたのが、女児がネットを通じて加害者と接点を持ち、誘い出されているケースが多いということだった。親としては、悩ましい問題だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

12月中旬にSNSで拡散された、秋篠宮さまのお姿を捉えた動画が波紋を広げている(時事通信フォト)
〈タバコに似ているとの声〉宮内庁が加湿器と回答したのに…秋篠宮さま“車内モクモク”騒動に相次ぐ指摘 ご一家で「体調不良」続いて“厳重な対策”か
映画『国宝』に出演する吉沢亮と横浜流星
『国宝』の吉沢亮&横浜流星、『あんぱん』の今田美桜&北村匠海、二宮和也、菊池風磨、ダイアン津田…山田美保子さんが振り返る2025年エンタメ界で輝いた人々 
女性セブン
硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将(写真/AFLO)
《戦後80年特別企画》軍事・歴史のプロ16人が評価した旧日本軍「最高の軍人」ランキング 1位に選出されたのは硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将
週刊ポスト
米倉涼子の“バタバタ”が年を越しそうだ
《米倉涼子の自宅マンションにメディア集結の“真相”》恋人ダンサーの教室には「取材お断り」の張り紙が…捜査関係者は「年が明けてもバタバタ」との見立て
NEWSポストセブン
地雷系メイクの小原容疑者(店舗ホームページより。現在は削除済み)
「家もなく待機所で寝泊まり」「かけ持ちで朝から晩まで…」赤ちゃんの遺体を冷蔵庫に遺棄、“地雷系メイクの嬢”だった小原麗容疑者の素顔
NEWSポストセブン
渡邊渚さん
(撮影/松田忠雄)
「スカートが短いから痴漢してOKなんておかしい」 渡邊渚さんが「加害者が守られがちな痴漢事件」について思うこと
NEWSポストセブン
平沼翔太外野手、森咲智美(時事通信フォト/Instagramより)
《プロ野球選手の夫が突然在阪球団に移籍》沈黙する妻で元グラドル・森咲智美の意外な反応「そんなに急に…」
NEWSポストセブン
死体遺棄・損壊の容疑がかかっている小原麗容疑者(店舗ホームページより。現在は削除済み)
「人形かと思ったら赤ちゃんだった」地雷系メイクの“嬢” 小原麗容疑者が乳児遺体を切断し冷凍庫へ…6か月以上も犯行がバレなかったわけ 《錦糸町・乳児遺棄事件》
NEWSポストセブン
11月27日、映画『ペリリュー 楽園のゲルニカ』を鑑賞した愛子さま(時事通信フォト)
愛子さま「公務で使った年季が入ったバッグ」は雅子さまの“おさがり”か これまでも母娘でアクセサリーや小物を共有
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)は被害者夫の高羽悟さんに思いを寄せていたとみられる(左:共同通信)
【名古屋主婦殺害】被害者の夫は「安福容疑者の親友」に想いを寄せていた…親友が語った胸中「どうしてこんなことになったのって」
NEWSポストセブン
62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《累計閲覧数は12億回超え》国民の注目の的となっている宮内庁インスタグラム 「いいね」ランキング上位には天皇ご一家の「タケノコ掘り」「海水浴」 
女性セブン
ネックレスを着けた大谷がハワイの不動産関係者の投稿に(共同通信)
《ハワイでネックレスを合わせて》大谷翔平の“垢抜け”は「真美子さんとの出会い」以降に…オフシーズンに目撃された「さりげないオシャレ」
NEWSポストセブン