多くの友人たちは、結婚し専業主婦になり子育てに追われ、舅・姑の面倒を見ています。社会に出たいという思いを強く持ちながら家庭に入った人も多く、いろいろな葛藤や苦労があったんでしょう、今になって「私は人生やり直せるなら結婚は絶対にしない」って言う人もいますよ。

 四国の田舎出身の私も、専業主婦の母に育てられ、大学こそ東京に出ましたが、卒業したら地元でお見合い、という人生になんの疑いもなかった。巡り合わせで漫画家になり、漫画家の妻になり、2人の子供を産みましたが、その子育て中も、「あぁ私はなんて駄目な母親なんだろう」と常に思っていたんです。

 私の思う母親像は、子供が帰ってきたら家にいて、15時のおやつを出して…という感じでしたから。なんとか“自分もちゃんとやっているんだ”と言い訳できるように、朝食と夕食は一緒に食べる、お弁当は作る、というルールを決めていて、それだけはやり通した。漫画も子供が生まれて、10時から17時で描くと決めたんです。それでも、“漫画描いてて悪いなぁ”って思っていました。

 でも、今はまったく思ってません(笑い)。子供が独立したら、“呪縛”からスッキリ解き放たれた感じ。今じゃもう、“やるだけのことはやった、あれ以上はやれなかった”って思ってます。

 だから子育てに後悔はない。あるとしたら語学を身につけさせなかったこと。孫には絶対させます(笑い)。

 60年生きていると、「え~っ!?」と思うようなことを何度か経験します。家族や友人との間でもそうですし、東日本大震災などの災害や、地下鉄サリン事件のようなことも。人生100年時代と言ったって、年をとれば、お別れしなければいけない知人も多くなってくる。そうすると、人生何が起こるか――病気やけがをするかもしれない、健康でいても事故に遭うかもしれない――わからない、そう思える免疫がついてきた。年を重ねていちばんよかったのはそのことかもしれません。

 今はこれまで描きたかったテーマで漫画を描き、4年前に飼い始めた愛犬と仲よく過ごす日々。夫とはもう人生のパートナーという関係ですし、妻でも母でもなく、自由に、のびのびと生きていこうと思います。

※女性セブン2018年3月29日・4月5日号

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