麻生太郎・副総理兼財務相もさすがの貫禄。逮捕された籠池泰典・前理事長との交流を指摘されると、「その種の珍しい名前なら覚えは良い方だから結構覚えているんですけど、まったく記憶にない」(2017年3月15日・参院予算委員会)と完全に否定。しかし、籠池氏は麻生氏に2回は面会していると言い、実際に長女・町浪(ちなみ)氏と籠池氏に挟まれた麻生氏が満面の笑みを浮かべているスリーショット写真も存在する。答弁が嘘でないなら、記憶力に問題があるのか。いずれにしても大臣としての能力に疑問が呈される。
そもそも文書改竄は、安倍首相が国会で、「私や妻がかかわっていれば首相も国会議員も辞める」(2017年2月17日・衆院予算委員会)と答弁した直後に行なわれている。ところが麻生氏は、「佐川の答弁に合わせて書き換えられた」(3月12日・囲み取材)と、佐川氏に責任をなすりつけるばかり。
そうなると、「(佐川氏は)極めて有能で適切な人材だ」(2月15日・衆院予算委員会)という答弁も虚偽になる。
いまや安倍首相自ら、「私の国会答弁は財務省による文書の書き換えに影響していない」(3月19日・参院予算委員会)と堂々と言い放つのだから、この国のトップは“問題のすり替え”には全く抵抗感がないようだ。彼らの矛盾だらけの「偽証答弁」は議事録に残されている。ゆめゆめ改竄、書き換えなどなさらぬよう。
※週刊ポスト2018年4月6日号