台湾では「女っぽい男性」、今どきの言い方でいうと「オネエキャラ」のことを、俗に「娘娘(ニャンニャン)」と呼ぶ。この3月末、台湾で熱烈な歓迎を受けて舞台に上がった日本人は、現地では「黒崎娘娘」の愛称で親しまれる人気者だ。
片岡愛之助(46才)。今世紀のドラマで最高視聴率(最終回に42.2%)を記録した『半沢直樹』(2013年、TBS系)で、個性的なヒール役の金融庁検査局・黒崎駿一を演じた。ドラマは台湾の日本専門チャンネルでも放送され、過去最高視聴率を記録するほどヒットしたという。
愛之助は3月30日から4月1日まで3日間、三谷幸喜作・演出の舞台『酒と涙とジキルとハイド』で初の海外公演に挑戦。現地・台湾でも人気を博す愛之助が主演とあって、連日満員の大盛況だった。
「3月30日は、愛之助さんと紀香さん(46才)の2回目の結婚記念日。紀香さんも夫の贔屓筋を迎えるために、8年ぶりに台湾に入りましたが、空港の到着ロビーには日本を代表する“セクシー女神”を一目見ようと現地メディアやファンが殺到しました。肝心の愛之助さんの舞台のほうは、冒頭からエンディングまで観客は爆笑しっぱなし。カーテンコールでは拍手と歓声が鳴りやみませんでした」(芸能関係者)
大成功だったこの舞台が最後の引き金になるのか、今、愛之助は崖っぷちに立たされているという。
◆チケットが売れない
「“片岡愛之助の名前を返せ!”という声が、当主の片岡仁左衛門さん(74才)や片岡秀太郎さん(76才)を中心とする松嶋屋の内部から噴出しているというのです。一部の先達たちは“こんなに歌舞伎をないがしろにし続けるならもう辞めたほうがいい”とかなりご立腹だとか。愛之助さんからすれば、歌舞伎の発展もみすえて、舞台やドラマに出演しているのであって、決してないがしろにしているつもりではないのかもしれませんが…」(歌舞伎関係者)
実際、2013年に年間10本こなしていた歌舞伎公演は、2017年には半分の5本まで減っている。テレビや現代劇での人気上昇で、歌舞伎に時間を割かなくなっているのかと心配されているのだ。