家族が異変に気付くケースも少なくない。倹約家だった京都市内に住むAさん(75)は5年ほど前、足繁くスーパーに通っては不必要な日常品を買い込むようになってしまったという。Aさんの妻が当時を振り返る。
「毎日のように野菜を買ってくるんです。最初は『健康に気を遣うようになったのかな』と思っていたのですが、食べ切れてないのに毎日キャベツを1玉買ってくる。おかしいなと思って病院でMCIを受けてもらいました。
検査を受ける直前までは『俺がボケてるっていうのか!』って不機嫌だったんですが、結果は『D判定(MCIの可能性が最も高い)』。医師からはこのままいくと数年で認知症になると言われました」
検査結果を受け、体を動かす認知症予防プログラムに参加するようになったAさん。その甲斐あって、現在のところ認知症は発症しておらず、検査の結果も「A判定(異常なし)」にまで回復したという。
※週刊ポスト2018年4月13日号