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1日30回のかかと落としで「ゴースト血管」が甦る

極めてシンプルな運動法が話題

 多くの日本人を悩ませる「国民病」の予防・改善のための新たな方法として、複数の医師が提唱する「かかと落とし」という運動が注目を集めている。

 福岡歯科大学客員教授で、『“骨ホルモン”で健康寿命を延ばす! 1日1分「かかと落とし」健康法』(カンゼン刊)の著者・平田雅人氏が解説する。

「かかと落としは、背すじを伸ばしてつま先立ちになり、両脚のかかとを上げ下げする運動法です。かかとを地面につけるときに、自分の体重をかかとに伝え、“骨を刺激する”ことを意識して、1日30回繰り返します。手軽で簡単にできる運動ですが、これによって『糖尿病』の予防・改善、『認知症』や『動脈硬化』の予防効果が期待できるのです」

 国内の糖尿病患者は、予備群を含めると約2200万人、認知症は約800万人にのぼるといわれる。動脈硬化が進行すれば、脳卒中や心筋梗塞など命に直結する重大な疾患を引き起こす。

 さらに、同様の運動が「高血圧」の対策としても効果が期待できると明らかになってきた。日本高血圧学会によれば、高血圧の潜在患者数は約4300万人。国民の約3人に1人が悩みを抱えている疾病への新たなアプローチとしても注目が集まっている。

 これらの疾患について、これまでの予防・改善策は、適度な運動や十分な睡眠時間の確保といった地道な生活習慣の改善が主流になっていた。その症状が悪化すれば、いずれも薬に頼らざるを得なかった疾患でもある。

 そうしたなかで「かかと落とし運動」という極めてシンプルな予防・改善法が有効だとすれば、国民病克服に向けた新たな地平が開ける。

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