「ライオンキング」は大きな話題に(撮影:阿部章仁(C)Disney)
「ぴあさんが電子チケット事業を手がけると知り、実験的に四季の『キャッツ』を使ってみてはどうかということになりました。それまでは実券を店舗に配布する仕組みで、都会と地方で席の格差があった。電子化で公平性が高まり、大きなインパクトがあったと思います。
浅利は新しいイノベーションに対する感性が非常に高い方。2010年にはQRコードで入場できるチケットレス化を導入したのですが、浅利は提案を聞いた瞬間に『それはすごいね!』と即決してくれた」
今年2月には、4か国語の字幕を表示する革新的な眼鏡型端末を北海道の劇場で実験的に導入した。
「今後はわれわれがライセンスを持つオリジナルコンテンツを開発して、作品を海外へ輸出したい。オリジナルコンテンツのシェアを高めていき、国内外の題材から、様々な方向性を探っています」
日本発のミュージカルが英ウエストエンドや米ブロードウェイで上演される日も、そう遠くはないかもしれない。劇団四季の“革命のDNA”は時代を超えて受け継がれてゆく。
●取材・文/渡部美也
※週刊ポスト2018年4月27日号