それ以降、『14才の母』(日本テレビ系)、『コウノドリ』(TBS系)など、中高生の妊娠をテーマにしたドラマが制作されているが、いまだ根本的な問題はなんら解決していないのが実情である。
一般社団法人ライフデザイン・ラボの代表理事・白水崇真子さんは、妊娠による高校退学のリスクは非常に大きいと警鐘を鳴らす。
「学歴は中卒になります。応募できる仕事が限られ、低賃金です。それに10代の出産は周囲の理解を得られないことも多く、家族や友人からも孤立しがちです。そこでパートナーの男性が逃げてしまったら、誰にも頼れない。退学後は学校の先生たちにも頼れない。社会で孤立すると、出産や子育て、母体の健康や福祉の支援サービス“情報”も入手しにくくなる。 結果、生まれてくる子供の貧困にもつながってしまいます」
厚生労働省の『平成28年度全国ひとり親世帯等調査』によると、母子家庭の中でも、中卒者と大卒者では、世帯収入で約1.5倍の開きがある。少子化ジャーナリストの白河桃子さんはこう憤る。
「18才以下の結婚の8割ができちゃった婚ですが、うち6割は離婚しているというデータがあります。妊娠したら学業を諦めてお母さん業に専念というのは、あまりに前時代的です。女性も働かないと食べていけない時代、就職に不利な道筋を高校が先導してどうするんでしょう。
周りがサポートして高校は卒業してほしい。できれば大学にも行き、なるべく稼げるようになることは、子供の貧困を防ぐためにも重要なことです。学校側は、もし生徒が自主退学したいといっても止めるべきなんです」
※女性セブン2018年5月3日号