もしあなたのパートナーが、いつ亡くなってもおかしくない状況だったら?──19才の時に余命半年を宣告された女性は、ある男性と出会い、生きる目標を見つけ、何気ない日常を明るく笑って過ごすことで、その後の5年間を全力で生き抜いた。ふたりの出会い、そして先日突然訪れた永遠の別れを夫が初告白。
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亡くなる約1か月前の2月28日午前3時に妻から電話がありました。「とも、行ってくるからね、手術室に。愛しているよ」と言われたから、「ぼくも愛しているからね」って返しました。それから、いつものように「言うても、あなたは寝ているだけでしょ。頑張るのは医者やからね」と軽口を叩きました。
それが彼女との最後の会話になりました。ただ、その時はぼくも彼女も、無事に手術を終えて戻ってくると思っていたんです…。
〈最愛の妻との「最期の思い出」を語るのは兵庫県議会議員の前田朋己さん(37才)。彼の妻は5年以上に及ぶがん闘病の末、3月25日に亡くなった山下弘子さん(享年25)だ。生命保険会社「アフラック」のCMに嵐の櫻井翔(36才)と出演し、「がんになって、いい子をやめました」と語っていたのを覚えている人も多いだろう。〉
手術の直前、“ひろ”は友人と京都に1泊旅行へ。昨年末から不安定だった体調が2月中旬から戻りつつあり、京都でお寺巡りや芸妓体験をしたそうです。でも大阪の実家に戻った翌日に気管のがんが大きくなって出血して肺機能が低下。2月28日に緊急手術をした後は意識が戻ることはありませんでした。
〈県議として多忙な日々を過ごす朋己さんは毎日、仕事を終えると、職場と病院を往復3時間かけて行き来して、眠ったままの妻を励ました。だが朋己さんや家族の看病の甲斐なく、弘子さんは帰らぬ人となった。〉
ひろはもう20回以上も手術を受けているので、今回も必ず帰れると思っていたはずです。ぼくや家族にとっても「まさか」という結果になりましたが、ぼくは彼女に出会えたことを感謝したい。妻と過ごした5年間はぼくの人生で最も幸せな時間でした。
〈がんを患い、余命を告げられながらも、生きる希望を失うことなく、自らの人生を生き抜いた妻の死から1か月、朋己さんが本誌・女性セブンだけに初めて現在の心境を明かした。〉
◆結婚生活の中でぼくが唯一涙を流した日
2013年6月に知り合いました。ひろの第一印象は「若いのに頭がよくて考え方も面白く、 すごくいいな」というものでした。が、彼女の方は「チャラい奴だ」と思ったみたいです。髪形も爆発してたし、初対面でいきなり腰に手を回してきそうな勢いだったと後に言われました(笑い)。