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金委員長の巧妙な印象操作トリックを心理士が解説

いよいよ次は米朝会談

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人をピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、南北会談での金委員長の細かな動作に注目していく。

 * * *
 金正恩委員長は、人々が彼に対して抱いていたイメージを変えることに成功したようだ。歴史的ともいえる南北首脳会談は、融和ムードに包まれたまま終わった。そこには数々の粛正をしてきたという圧制者の姿も、異母兄である金正男氏を暗殺したかもしれない暴君の姿も、各国の言葉に耳を傾けることなく、強硬な姿勢で核開発に突き進んできた独裁者の姿もなかった。

 笑顔を振りまき、時にジョークを言い、堂々としながらも気さくでざっくばらんなその様子は、人々の心を惹きつけ好印象を与え、文在寅大統領を懐柔した。人が変わったような理由を専門家たちは様々に分析しているのだが、なんだかキツネにつままれたような気分が抜けきらない。

 というのも、この会談では「印象操作」が巧みに行われていたからだ。そこには当然、操作する側(出し手)とされる側(受け手)がある。まず金委員長は彼を暴君、独裁者として見ているわれわれ、受け手側に、自分をスムーズに受け入れさせなければならなかったはずだ。

 北朝鮮のように権威の下で情報統制され、それを受け入れている場合と、それ以外の国々とでは生活環境や思想的、政治的、教育的背景など、受け手となる人々の特性がまるで違う。会談を見ている受け手側に、自分のことを無理なく自発的に受け入れ、自然に好感を持たせるためには、北朝鮮国内向けとは違う接し方、コミュニケーション方法を採らなければならない。

 受け手側が自発的に受け入れるようにすること。これは、出し手側の金委員長にとって絶対に必要なことだったのだ。政治心理学者の川上和久氏は、『情報操作のトリック その歴史と方法』(講談社現代新書)で、これを支配の鉄則だと述べている。

 そこで効果的に使われたのが「笑顔」だ。笑顔は万国共通、プラスのイメージを人々に与える。笑顔が本物に見えれば見えるほど、人は抵抗なく相手を受け入れ、笑顔を向けられているうちに警戒を緩めてしまう。表情が豊かで生き生きとした人ほど、温かみがあり社交的で、能力が高いと判断してしまいやすいという心理的傾向もある。つまりこれが、印象操作のトリックだ。

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