ビジネス

ビール定義変更 発泡酒と第3のビールの「賞味期限」は?

 実際、ひと頃までは糖質オフやカロリーオフといった機能性商品で競い合っていた構図が、最近は「安く手軽に早く酔いたい」というニーズのほうが高まっていると見て、各社一斉に第3のビールで高アルコールバージョンの商品を投入している。キリン以外でも、サントリーが昨年出したアルコール度数7%の「頂」は今年2月にリニューアルされ、度数も8%にアップした。

 サッポロも4月16日に「LEVEL9 贅沢ストロング」という度数9%の新商品を発表。当初、同社の髙島英也社長の登壇予定はなかったが、急きょ社長自らプレゼンをすることになり、意気込みを社内外に示していた。

 昨年、第3のビール市場でキリンから首位の座を奪ったアサヒは静かな印象で、あくまで通常のビール強化に軸足を置き、スマッシュヒットとなった「スーパードライ瞬冷辛口」や、定義変更対応商品の「グランマイルド」拡販のほうに力が入っている。

 ということで、第3のビールに関してはRTDともども高アルコールを舞台にした戦いが激しさを増しているが、前述した3段階の酒税改正の過程で、第3のビールは発泡酒に統合され、第3のビール(メーカー側は新ジャンルという呼称)という名前も消える見込みだ。

 そういう意味では、将来はビール比率の高いアサヒとサッポロを利する可能性がある。逆にビール比率が低いキリンとサントリーはRTDの2強メーカーであり、発泡酒や第3のビールが地盤沈下した場合、RTDで補える点はアサヒやサッポロにはないアドバンテージといえる。

 もう1点、酒税改正も睨みつつの事業展開と同時に、超高齢社会がますます進む日本にあって、

「もう年だから量は要らない。本当に美味しいビールを少量飲めればいい。第3のビールは、のどごしはビールとあまり変わらないけど、どのメーカーの商品も後味の感じが好きになれない」(シニア世代の会社員Aさん)

 といった声も年々増えていくだろう。発泡酒と、目下、熱い戦いが繰り広げられている第3のビールの“賞味期限”は、そう長くはない。

関連記事

トピックス

大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン