ライフ

“声枯れ”は甲状腺がん等命に関わる病気が隠れていることも

ただの声枯れと侮るなかれ

 人間は呼吸する際、声帯を開き、声を発するときには声帯を閉じて気管からの空気を声帯にあてることを無意識に行なっている。ところが、様々な原因で声が出にくかったり、枯れることがある。特に仕事で声を使う教師や歌手、政治家といったプロフェッショナルボイスユーザーにとって、その影響は計り知れない。

 診察は問診で年齢や性別、仕事、生活習慣、食習慣、服用中の薬、既往症などを詳しく聞く。また喉頭ファイバースコピー検査、喉頭ストロボスコピー検査、発声機能検査、CTやMRI検査も行なう。ストロボスコピーとは発声時の声帯間隙の有無や声帯粘膜の振動の大きさなどを検査するものだ。喉頭がんが疑われる場合は組織を取り、病理組織検査を行なう。

 山王病院・国際医療福祉大学東京ボイスセンター(東京都港区)の渡邊雄介センター長に話を聞いた。

「声が出にくい、声が枯れるといった症状で喉頭がんを疑い、受診される方がよくいらっしゃいます。喉頭がんは患者の97%が喫煙の男性で、年間約4000人が発症しますが、声枯れという自覚症状があるため、90%近くの患者さんがステージIかIIの早期で発見されます。ちょっとでも喉や声に違和感があったら、専門病院での検査が大切です」

 声帯結節や声帯ポリープの最初の治療は沈黙治療を行なう。1週間から1か月程度、声を出さずに声帯への無用な刺激を避け、同時に吸入で炎症を抑える。消炎鎮痛剤やステロイドなど症状に合わせた薬物治療を行なうこともある。これら保存療法で効果が出る場合もあるが、ある程度継続しても効果が得られにくい場合は手術をすることもある。

関連キーワード

関連記事

トピックス

《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
維新はどう対応するのか(左から藤田文武・日本維新の会共同代表、吉村洋文・大阪府知事/時事通信フォト)
《政治責任の行方は》維新の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 遠藤事務所は「適正に対応している」とするも維新は「自発的でないなら問題と言える」の見解
週刊ポスト
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
《自維連立のキーマンに重大疑惑》維新国対委員長の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 元秘書の証言「振り込まれた給料の中から寄付する形だった」「いま考えるとどこかおかしい」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《バリ島でへそ出しトップスで若者と密着》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)が現地警察に拘束されていた【海外メディアが一斉に報じる】
NEWSポストセブン
大谷が語った「遠征に行きたくない」の真意とは
《真美子さんとのリラックス空間》大谷翔平が「遠征に行きたくない」と語る“自宅の心地よさ”…外食はほとんどせず、自宅で節目に味わっていた「和の味覚」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《約200枚の写真が一斉に》米・エプスタイン事件、未成年少女ら人身売買の“現場資料”を下院監視委員会が公開 「顧客リスト」開示に向けて前進か
NEWSポストセブン