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3月開館パナソニックミュージアム 同館独特の展示基準とは

社の看板を支えてきた製品が勢揃い

 松下電気器具製作所の創業からちょうど100年となる今年3月7日、「パナソニックミュージアム」がオープンした。「経営の神様」と呼ばれた創業者・松下幸之助と、彼の下に集った技術者たちが生み出した数々の名品に出会えるのが、同施設内の「ものづくりイズム館」だ。副館長を務める川原陽子氏は、同館の趣旨をこう語る。

「企業が潤うためだけではなく、事業を通じて社会生活をより良いものにしていくこと。当ミュージアムは、そんな松下幸之助の経営理念を反映した展示内容になっております」

 エントランスに足を踏み入れると、「ナショナル坊や」や、テレビ・冷蔵庫・洗濯機の「三種の神器」をはじめとした同社の一号製品たちが出迎えてくれた。真新しい館内には、どこか懐かしい雰囲気が漂っている。

 メインフロアである「マスターピースギャラリー」には、「家事楽」「思いやり」「感動」「自由」「安心」「新定番」という6つのテーマに沿って、日本の豊かな暮らしを実現してきた代表的な歴代製品が展示されている。

 圧巻は最奥部に設置された「ヒストリーウォール」。幅16メートルの8Kスクリーンに、時代と共に歩んだ約2000点の製品が次々と投影されていく。その下にはこの100年の間に使用された広告も展示されている。まさに戦前から現在に至るまでの「日本人の生活史」ともいえる内容だ。

 同館にはパナソニックならではの展示基準があるという。

「パナソニックは製品の“世界初”や“日本初”にはあまりこだわっておりません。重要なのは、人々の生活に寄り添った製品であること。展示を通じて“より安全で高品質なものを、より手に入りやすい価格で”という、松下幸之助や諸先輩方が継承してきたものづくりへの熱い思いをお伝えできればと思っています」(川原氏)

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