その翌々日、放送された『男子ごはん10周年!90分スペシャル』は、ゲストに江口洋介を迎え、観客を入れて公開番組形式で放送された。この場限りの「男子ごはんカフェ」で江口にライブで料理をふるまったり、10年間で反響のあったレシピをランキング形式で発表したりと、盛だくさんの内容だったが、やはりぐっときたのはケンタロウからの手紙の場面だった。6年前の事故でまだ短パン男子になれず、「絶賛リハビリ中」の初代料理担当のケンタロウは、「勝手に事故ってごめん」と謝りつつ、「これからもおいしいものを作って」と太一・心平を励ます。会場では涙をぬぐう観客も。心平も「やっぱカッコいいっすね」と先輩を称えた。だが、考えてみれば、国分・ケンタロウという人気コンビの後を引き受けた、お世辞にもトークの達人とはいえない栗原心平の奮闘が、この番組を支えてきたのである。
『男子ごはん』の見どころは、いくつになっても短パン(というか、半ズボン)少年のような男ふたりが、料理したり、昔話をしたりと部室トークを繰り広げること。4月28日の放送は、10周年スペシャルの未放送部分を特集していたが、江口のために簡単おつまみを3品用意していた心平に、太一が突如「もう一品」アドリブで料理をと注文。「今ですか!?」と、またまた心平の困惑顔が出たところで、この番組をよく見ているという江口も「(ふたりの会話は)生で聴いても面白い」と笑っていた。
これからも「ケンタロウさんと3人で」番組を続けたいと語った国分。ならば、心平ちゃんには15周年、20周年と番組周年のたびに「こっそり俳優活動」をしてもらいたい。毎回、事情聴取シーンとかはないと思うけど。5年か10年に一度、数分しか出てこないテレビ東京の隠れ名物になれる。