「警察に“参考人”として聴取された2人を取材しましたが、そうした人にとってみれば疑われたこと自体が不名誉なことであり、周囲との信頼関係も損なわれます。別の真犯人が逮捕されても警察から謝罪のようなものはありません。
島根の事件のように犯人の目星がはっきりついてない時は、警察があえて参考人やその周囲に“疑われている”ことがわかるように行動することがある。そこで本人がどういう行動に出るか探ろうとする手法です。
今回の新潟の事件のように犯人の目星がはっきりしている時には、警察も早くから容疑者の行動確認をしますが、メディアが無関係の目撃談や不審者情報を追って“別の容疑者”が作り出されることがある。警察側も、真犯人が自分は疑われていないと安心することで証拠固めの時間を稼げるので、間違いを積極的にたださないこともある」
ネットやSNSが発展した近年の事件現場の変化は著しいという。
「いわゆる“素人”による犯人捜しが盛んになって、ゲーム感覚でやる人たちが以前に比べて増えています。『怪しい人』の情報が拡散されるのが早い上に、結果的には間違いだったというケースが多い」(小野氏)