「さやかちゃんは憧れの存在。話をしているだけで人生の大切な何かを教わっている感じがする。さやかちゃんがやってきたことを聞くだけで成長できている気がするんです」

 わずか1か月半で生徒の心をがっちり掴んだ彼女には、生徒たちと接する上で気をつけていることがあるという。

「絶対に上から目線にならないこと。あとは共感すること。校則はルールだから本当は“第一ボタン閉めなさい”って言わなくちゃいけないんだけど、“でも開けるとかわいいよね”って伝えると、“あぁ、この人はわかってる”となって、心を開いてくれる。最後は“傾聴”。全身全霊で相手の言葉に耳を傾けて、何でも話したいと思ってもらえる空気感を出そうと心がけています」(さやかさん)

 12時半、昼休みを知らせるチャイムが鳴ると、進路支援室には続々と生徒が集まってくる。各自テーブルにつき、お弁当を広げると、前述した「クリエイティ部」のランチミーティングが始まった。

 さやかさんは「どうやったらイベントにお客さんが来てもらえると思う?」と切り出し、アイディアを募る。これに応えるように、生徒からは「ビラ配り」「ポスティング」といった意見が飛び交う。「クリエイティ部」の生徒がさやかさんの印象を話す。

「さやかちゃんはモノの考え方のアドバイスをくれる。ただ遊びに行くという話でも、“どうやって人を集めるのか。費用はどうするのか。すべてが社会勉強だよね”って。授業では教えてもらえないことを教えてもらっています」

 教師という肩書がなくとも、彼女は子供たちにとって“人生の先生”だった。

 生徒とのコミュニケーション以外にも仕事はある。午後には親交の深い地元スーパーとの打ち合わせなども行っていた。

※女性セブン2018年6月7日号

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