呉氏といえば、米名門ホテル「ウォルドルフ・アストリア・ニューヨーク」などの海外での巨額な買収で知られるが、その資金源は投資家から詐取した資金だった。
この時期には、すでに呉氏とトウ家の関係も冷え切っており、呉氏の派手な女性関係も影響して孫娘と離婚。
これを機に、当局が呉氏のビジネスへの調査を開始しており、財務上の不正が次々と明らかになり、呉氏の逮捕へとつながった。今年2月には中国の保険監督当局に当たる中国保険監督管理委員会(保監会)が安邦集団を一時的に公的管理下に置くと発表。3月には呉氏の裁判が開始され、5月には判決が下されたことになる。
安邦集団が公的管理下に置かれてからわずか3カ月の間に、会長だった呉氏への判決が下されるという異例ともいえる動きについて米政府系メディア「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」は中国指導部関係者の話として、「習近平国家主席が呉小暉氏の案件について、『迅速に処理するよう』指示した」と伝えている。